らふたお

「ランニング」「フランス語」「旅」「音楽」 楽しいことだけ、私の好きなものについて書きます。

リンゴ好きの焼きりんご

私が生まれ育った家は専業農家でした。主な作物はレンコンリンゴでした。

私が幼かったころは米も作っていて、その記憶も微かにあるのですが、その後田んぼは全部レンコン田になりました。うちのレンコンはとても美味しくて、外で食べたレンコンはどれも「味が無い…」と感じていました。後で知ったことですが、うちで作っていたレンコンは「小坂レンコン」と呼ばれる特別のものだったのです。テレビの料理対決番組の《本日の特選素材》で紹介されていました。今は産地が移ったので「加賀レンコン」と呼ばれています。

リンゴも、うちのは特別美味しかったです。甘味と酸味、豊かな味わいと香りがありました。青森よりも長野よりも、うちのリンゴが一番おいしかったです。

生産者ですから、日頃からリンゴはたくさん食べていました。農業の大変なことの一つは、品質管理です。リンゴのように見た目で価値が変わる作物は、全量出荷することができません。いわゆる規格外のものが大量に出るのです。本当に大量です。

近所の人向けに販売したり、おやつに食べたり、ジュースやジャムに加工したり、食べるのも仕事みたいな感じで、夏から冬にかけてはリンゴを食べない日はありませんでした。そのせいでしょうか、今でも時々どうしてもリンゴが食べたくなることがあります。やはり丸ごとかじるのが一番おいしい食べ方だと思います。

日本のリンゴはとても進化しています。品種改良が盛んに行われ、たくさんのおいしい品種が次々と出ています。保存の技術も進歩したので、ほとんど一年中おいしいリンゴが手に入りますね。

先日、めっきり観光客が少なくなった金沢の近江町市場にリンゴを買いに行きました。そこで見つけたのが「紅玉(こうぎょく)」という赤くて酸味の強い品種です。お菓子作りに使われることが多い品種で、スーパーなどではまず見かけることはありません。昔よく食べたこともあって、買って帰りました。そして、よりおいしく食べるために、作ってみました。焼きりんごです。
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熱を加えても酸味が残り、絶妙の食感でとてもおいしくいただきました。