昨年度末から学校が閉められて、いま子供たちが教育を受ける機会を奪われています。
石川県の公立高校は、郵送で課題や宿題のやり取りを行っているそうですが、金沢市にある私立の星稜高校では、iPadを使って勉強や宿題の提出、その他いろいろなことが行われています。
星稜高校といえば、野球の松井秀喜、サッカーの本田圭佑を輩出した「名門校」で、野球部は昨年甲子園で2度目の準優勝、サッカー部は数年前に全国大会準優勝の翌年に優勝を果たしました。そして素晴らしいのは運動部の活躍だけではありませんでした。
私の知人のお嬢さんが、今年星稜高校に入学されました。その知人が私に教えてくださいました。
星稜高校では一人一台iPadが支給され、勉強だけでなく、いろいろなことに活用されています。それによって生徒の勉強の効率や意欲が上がっただけでなく、教員の負担削減や保護者への情報提供など、様々な効果が出ています。以下はその活用方法です。
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端末は「iPad Air2」を採用。通学時間や自宅での勉強に活用できるように、LTE通信にした。校内では無線LANに接続している。アプリはロイロノートを使用。高校ではClassiを活用する予定。使用時間は6~22時。学校では朝と放課後は使用可能で休み時間は使用禁止。インターネットは使えるが、Youtube等は禁止。生徒間のメールのやり取りも禁止。SNS等はできない設定で、I―FILTERも利用している。
タブレット端末導入の目標を設定した。1つ目は学力向上。2つ目は新しい大学入試への対応と新しい時代の変化への対応。3つ目は生徒も保護者も満足する利用方法。
学力向上のためにタブレット端末を活用して家庭学習をしている。通常の授業の宿題を極力減らし、問題の配信にタブレット端末等を活用しながら、国語・数学・理科・社会・英語の宿題を、曜日を決めて出題する。生徒は毎日勉強し、教員は宿題にかける手間を週1回に減らすことができる。生徒はタブレット端末でノートに解いた問題の写真を撮ったり、音声を録音したりして教員に提出する。提出時間や順番がわかり、保護者が宿題を気に掛けるようになった。生徒は宿題を解いたノートやプリントの提出を忘れなくなった。数学の授業では、生徒2人1組でテストの解答を作り、解説した。生徒の解説動画はタブレット端末でいつでも見ることができる。
お知らせや動画を保護者に全て配信
新時代の変化への対応で、本年度からイングリッシュキャンプやサイエンスプログラムを取り入れた。中学校1年・3年と高等学校1年で取り組むサイエンスプログラムでは、1年を通して週1回、継続的に研究活動を行う。自分たちでテーマを決めて研究を進め、プレゼンする。
通信料を負担する保護者には、満足を提供する必要がある。担任が毎日生徒の学級日誌を写真で撮って配信する他、お知らせも全て配信。学生ボランティアが学校行事の動画の配信も行っている。学校での子供の様子がわかることで教育方針への理解にもつながり、保護者の満足度は高い。保護者へのアンケートでは「学校行事への理解」100%、「担任への信頼度」97%「情報発信」95%等となった。
タブレット端末の導入で保護者が教育に積極的に関わりはじめ、オープンなイメージの学校になった。教員負担は最小限ながら、生徒は十分に活用している。今後は授業以外で学習効果が上がる取組を考えたい。
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これは今回の長期閉校の対策ではなく、星稜中学校と高校ですでに導入されていたものです。そしてこの取り組みを石川県に提案したら、受け入れられなかったそうです。
学校選びは慎重にやる必要がありますね。