黒部川の上流に日本一の「黒部ダム」があり、立山黒部アルペンルートを通っていくことができます。
下流の欅平までは、宇奈月温泉から黒部川の流れに沿って黒部峡谷鉄道(トロッコ列車)で行くことができます。
黒部ダムと欅平の間18kmにはいくつかのダムや発電所があり、通常は行くことができないのですが、見学会という機会が現在設けられていて、申し込むと見学することができます。さらに2024年には、観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」として一般開放される予定です。そのルートへ行ってきました。
今回のスタートは黒部ダムです。欅平からの逆ルートもあります。関電トンネルを通るバスの改札横の扉から狭い通路を進み、まずは保安検査(荷物検査)をして、ヘルメットをかぶります。
まずバスに乗り、黒部トンネルを進みます。
アルペンルートの扇沢に行く関電トンネル同様、結構狭くてちょうど大型バス1台分です。
タル沢というところにトンネル工事の際に土砂を排出した横坑があります。トンネル内はとても寒く、6月の下旬なのに気温は一桁でした。
外に出ると、黒部川に左右の谷から川が合流する「十字峡」です。ビデオなどで見たことはありますが、この目で見ることができるとは思いませんでした。
剱岳の裏側、裏劔も見ることができます。この雪は氷河かな。
インクラインです。長さ814m、斜度34度の急傾斜を20分かけて昇降するケーブルカーです。これらの設備は、黒部川第四発電所建設のための資材・機材を輸送するために作られました。
ようやく到着しました。黒部川第四発電所です。
会議室で設備についての説明を聞いた後、持参した昼食を食べて休憩です。
この床の下に大きな発電機が4機稼働中です。
発電機を回している水車です。これに水を吹き付けて回転させています。点検整備のために取り外されていますが、これも現役です。
記念写真を1枚。
会議室です。2002年の紅白に中島みゆきさんが出場した後、本来は宿泊所に行く予定だったのですが、大雪のため移動ができず、このソファーでお休みになったそうです。
紅白の記念の写真です。
中島みゆきさんをはじめ、いろいろな方が訪れています。
この先はこのトロッコ列車で進みます。動力はバッテリー駆動の電気機関車です。
中島みゆきさんが歌ったのはこの先のトンネル内です。線路は軌間762 mmの特殊狭軌です。線路は黒部峡谷鉄道とつながっていて、宇奈月から物資の輸送が行われています。
途中の仙人谷です。谷を渡る鉄橋の上に駅があり、外を見ることができます。
反対側は黒部川の下流方向です。左側に見える建物が、中島みゆきさんが紅白の後宿泊する予定だった施設です。
この軌道部分は上部軌道と呼ばれています。黒部峡谷は標高差が大きく、一本のレールでつなぐことができませんでした。そのため欅平に高低差200mのエレベーターを設置して貨車を移動させています。
この先に通るのが高熱隧道と呼ばれる所です。岩盤の温度が160℃を超え、ダイナマイトが自然発火し、作業員には後ろから水をかけながらの難工事だったそうです。現在でも約40℃の温度があり、客車の窓からは熱風が入ってきます。
欅平上部駅の外です。この谷の下200mに黒部峡谷鉄道の欅平駅があります。
この後竪坑エレベーターで欅平駅に降りて、ツアー終了です。
およそ60年前の世紀の大事業だった「くろよん」の、壮大な物語を感じることができました。